散歩に良い季節の秋になりました。釜山は山、海、川などの自然と、韓国初の開港地であり避難首都という歴史により、「道の街」と呼ばれるほど歩きやすい道がたくさんあるところです。天高く、涼しい秋の風が吹いてくるこの季節、特別な道を歩いてみませんか。今回は、散歩にぴったりの石垣道をご紹介します。
一番韓国らしい梵魚寺石垣道
梵魚寺の秋は美しいです。金井山姑堂峰から染まり始める紅葉が梵魚寺まで下りてきて、境内のモミジやイチョウを赤や黄色に染めると、どうして梵魚寺の道が「韓国の美しい道100選」に選ばれたのかが分かります。梵魚寺入口の石の道をゆっくりと歩いてみます。まだ紅葉は始まっていませんが、金井山から吹き下ろす涼しい風の中、国宝に指定されている曹渓門から始まり、天王門、不二門と辿って秋の情緒を感じながら歩くと、すぐに大雄殿の中庭に着きます。
国宝に指定されている大雄殿と三層石塔を正面に見て梵魚寺大雄殿の中庭に立つと、海印寺、通度寺と共に嶺南地方三大寺院に数えられる梵魚寺の気品が感じられます。長い歳月の面影を残す大雄殿の赤や青のタンチョンの上に天高く青空が広がり、秋の情緒を増し加えます。
ゆっくりと石垣道を歩きます。それほど高くないので周囲の景色も見え、石と土で築いた馴染みのある塀が続く石垣道は、韓国人の情緒と美学が一番よく表れている道と言えます。梵魚寺の石垣は石と土で塀を築き、その上に瓦をのせた最も韓国らしい石垣になっています。
梵魚寺には、ぜひ歩きたい石垣道が二つあります。大雄殿から右手の金井山へと続く石垣道と、大雄殿の中庭から左手に下りていく竹の石垣道です。特に、竹の石垣道を歩くと階段に続いている石垣道に出ますが、ここはモミジが紅葉に染まると美しいことで有名なので、秋が深まる頃にぜひ訪れてみることをお勧めします。
自然を抱く仙岩寺石垣道
白楊山の麓に佇む仙岩寺は、新羅時代の675年に元暁大師が創建した千年の古刹です。創建当時は見江寺という名前でしたが、新羅の国仙花郎徒たちが修業したことから仙岩寺と呼ばれるようになりました。仙岩寺は、白楊山の絶壁の岩がお寺を囲んでいて、正面には釜山の市街地を望み、訪れる人々が絶えません。
仙岩寺の境内に入ると、それほど大きくはありませんが、大雄殿、極楽殿、中庭の大きな松の木が、千年の古刹の威厳を感じさせます。お寺の中庭は、背の低い石垣で囲まれています。お寺の石垣道をゆっくりと歩き、ベンチに座ってひと休みしながら、思索にふけってみるのもいいでしょう。
仙岩寺の石垣は、梵魚寺の石垣とは異なり、土を塗らずに石だけを積み上げ、その上に瓦をのせている自然そのままの趣を感じさせるものです。そんな親しみやすさからか、瓦の上に小石を積み上げて願い事をしている人の姿をよく見かけます。特に大雄殿の右の裏手の石垣の間に伸びる階段を上って七星閣と極楽殿に行くと、苔の生えた低い石垣があり、その石垣の美しさに改めて驚かされます。のんびりと秋の情緒を感じながら、韓国の石垣の美しさを感じてみたいなら、仙岩寺に行ってみてください。
瓦を積み上げた玉蓮禅院の石垣道
釜山・広安里海水浴場そばの民楽洞水辺公園の裏手には、白山という小さな山があります。この山の麓に、670年に元暁大師が創建したと伝えられている玉蓮禅院という寺院があります。禅院は、禅を教える仏教の教育機関に付けられた名前です。
玉蓮禅院は市街地に近く、美しく手の行き届いたお寺の風景で有名です。特に、お寺の裏手に上っていくと、韓国最大の石造座仏像の弥勒大仏があり、ここからはマリンシティの高層ビル群とその間に海が見える開けた展望が広がります。
玉蓮禅院の石垣は、石や土ではなく瓦を積み重ねた塀になっているのが特徴的です。玉蓮禅院の入口から境内の中まで続いている石垣道がこの瓦の石垣道で、やや高めですが、積み重ねた瓦が落ち着いた雰囲気を醸し出しています。境内のあちこちには様々な形の石垣があり、これらの石垣を見つけるのも面白いでしょう。特に、弥勒大仏に続く道のそばの瓦の石垣の下に甕置き場が広がる風景は、趣があります。涼しい風が吹いてくるこの季節、美しい石垣道を歩きながら秋に浸ってみてください。
利用案内
住所
梵魚寺: 釜山広域市金井区梵魚寺路(ポモサロ)250
仙岩寺: 釜山広域市釜山鎮区白楊山路(ペギャンサンロ)138
玉蓮禅院: 釜山広域市水営区クァンナムロ257番ギル58
休業日
年中無休
営業曜日及び時間
常時
利用料金
無料
交通情報
梵魚寺
都市鉄道:1号線梵魚寺駅5、7番出口→90番バスに乗り換えて梵魚寺駐車場下車
駐車:梵魚寺駐車場
仙岩寺
都市鉄道:1号線西面駅9番出口→ロッテホテル百貨店向かいのバス停で17、23番バスに乗り換え→仙岩寺入口下車、徒歩14分
駐車:仙岩寺駐車場
玉蓮禅院
都市鉄道2号線金蓮山駅3番出口 → 「金蓮山駅」バス停で83, 38, 83-1番バスに乗り換え → 「MBC放送局」バス停下車徒歩8分
駐車:玉蓮禅院駐車場