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加徳島煙台峰

知らなかった釜山の一面に出会う

5.0
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加徳(カドク)島という名前は、かつて蔓人参(トドク)が多く自生していたことに由来し、釜山市に属する島の中では最も大きな島だが、西の端に位置しているためあまり知られていない場所でもあった。しかし、加徳島には新石器時代から人が暮らしていたと推定されており、歴史的には壬辰倭乱や日帝強占期など、日本とは長い悪縁で結ばれた島でもある。煙台峰は、島の最も高いところにあり、加徳島の歴史を今に伝えている。

煙台峰は標高459メートルで、約2〜3時間で頂上に登って下山できる山だ。それほど高くないが、海の真ん中にそびえているため、頂上に登るとかなり高い山に登ったような景色を満喫できる。

出発して10分程度は散策しやすい緩やかな傾斜となっており、途中にベンチや東屋も設けられていて加徳島の美しい景色が楽しめる。煙台峰登山路は、家族一緒に楽しむ山歩きにもうってつけだ。どこまで来たのか気になる頃に決まって現れる案内板を目にすると、また登るための元気が出てくる。頭上を覆っていた木々が減ってきて、上には空、下には海が再び見えてくると、間もなく煙台峰の頂上にたどり着く。

頂上が近づいてくると、加徳島の開けた海と巨加大橋が見えてくる。島と島をつなぐはずの巨加大橋と遠くに見える巨済島の間には何も見当たらない。巨加大橋が海底トンネルでつながっていることを実感できる瞬間だ。登れば登るほど道が狭くなり傾斜も急になるが、涼しい潮風に乗ってやってくる海の香りも濃くなっていく。

煙台峰の頂上の下には、凛々しい姿の岩峰が立っている。空と海の境がわからないほどの絶景が、登山の疲れを吹き飛ばしてくれる。ただただ、静かに人を包み込む自然の驚異が感じられるだけだ。

頂上から見下ろす切り立った崖、海に点在する島々と海岸線、屏風のような峰が、まるで一幅の水彩画のように美しい。言葉では言い表せないほどだ。

一角に設けられているフォトゾーンからは、釜山の海岸のパノラマを鑑賞できる。多大浦、洛東江、乙淑島、鳴旨新都市、菉山工団など、ここから見下ろす釜山はミニチュアのように小さく見える。

煙台峰の頂上には、壬辰倭乱の当時、最初に倭軍を発見して狼煙を上げた烽燧台もある。加徳島に点在する遺跡の一つだ。帰りに外洋浦や大項洞セバジ村など、加徳島の歴史遺跡を訪れてみるのも良いだろう。

山と海が同時に楽しめる加徳島煙台峰は、都心からそれほど離れていない。都市鉄道下端駅から1時間30分ほどで行けるので、これまで知らなかった釜山の一面を見つけに行ってみよう。